サラダ音楽祭の楽しみ方

小林顕作さん

Vol.5

「OK! オーケストラ」
司会の小林さんに聞く

0歳の赤ちゃんが声を出してOK! みんな一緒に体を動かすのもOK!
そんな「OK! オーケストラ」のステージを盛り上げてくれるのが、司会を務める小林顕作さんです。
NHK Eテレの「オフロスキー」役でもおなじみの小林さんに、子供たちや音楽との接点、司会についてのユニークな視点を語っていただきました。

(取材・文:飯田有抄/クラシック音楽ファシリテーター)

子供たちに大人気の小林さん

小林顕作さんは役者・ダンサー・演出家・作詞作曲などマルチにご活躍で、NHK Eテレ「みいつけた!」の「オフロスキー」として、お子さんたちにも大人気です。サラダ音楽祭では赤ちゃんから参加可能な「OK!オーケストラ」の司会としてご登場されますね。

小林:「オフロスキー」が好きで来てくれる子供たちがいたら、「オフロスキー」ではなく僕が登場して、「あれ?!」っていう反応になるかもしれないけれど(笑)、すぐに馴染んでくれたら嬉しいですね。

小林顕作さん
小林さんは、絵本の読み聞かせ公演でもご活躍です。子供たちと接するときに、大切にされていることはありますか?

小林:子供を子供扱いをしないこと。それに尽きるかな。僕はどんな人にも対等でありたいと思っているんです。たまに、とても小さい子にあえて「いかがでしたか?」なんて丁寧語を使ったりもします(笑)。
ただ、3歳とか5歳とかの子供たちは、社会性という面ではまだ未開発な部分が多いですから、くだいて言わないとわからないこともあります。大人同士なら省けることも、子供の場合は「え、今の、ぜんぜんわかんない」となったりする。そういう場合は、間(ま)の取り方や、声のトーンなどを工夫して、どう表現すべきかを考えています。
でも基本的には、大人も子供も対等でいい。大人が子供をナメてかかるのは簡単。でも、僕だって3歳の子から、「オレ3年しか生きてねぇけど、オマエたいしたことないぞ」って、いつ言われるかわかりません(笑)。

小林さんは、子供たちの気持ちを掴むだけでなく、子供の気持ちになれる方なのだと思います。小さい頃の記憶は鮮明にあったりしますか? どんなお子さんでしたか?

小林:僕は0歳児の頃からの記憶があるんです。団地に住んでいたんですが、家のグレーの絨毯の上に、僕はうつ伏せになっていて、目の前にピンク色の犬のぬいぐるみがあって、向こうで家族が笑ってる……。その光景が記憶にあったのですが、5歳ごろになった時、初めてその場面の写真を見たんです。その時「これ覚えてる」って言ったら、姉ちゃんに「きもちわるい!」なんて言われましたね(笑)。
小さい頃は、わりと感覚の鋭い子だったみたい。感じたことを歌にして、ずっと歌っていたそうです。「おまえはヘンな歌ばっかり歌ってたぞ」と、よく兄ちゃんたちに言われましたね。でも何かやれば、周りが面白がってくれるのが嬉しかった。その流れの中で生きてきて、自然と今の活動につながったのかなと思います。

クラシック音楽との出会いは幼少期

お父様の小林乾治さんは作詞家でいらしたのですよね。

小林:アメリカやポリネシアの民謡を、日本語に訳してアレンジしていました。父が大のクラシック音楽好きで、レコード・コレクターでした。家では朝からずっとクラシックが流れてましたね。

小さなかころからクラシックに馴染みがおありだったのですね。

小林:レコードには触らせてもらえませんでしたけどね。自分でクラシックを「かっこいいな」と思い始めたのは20代になってから。バッハはこんな感じかぁ、モーツァルトはこういう線ね、みたいに感覚的に楽しんでいるだけですが。
好きな作品は、オーケストラのドカンとしたもの、エモーショナルなもの、ストーリー性のあるものかな。ラヴェルの「ボレロ」は大好きで、ステージで使ったこともあります。ただし、舞台は銭湯。次々と立派な男たちが洗い場に入ってくる、というストーリーでした(笑)。

小林顕作さん

「OK!オーケストラ」は“部屋感”を出したい!

「OK!オーケストラ」は、指揮者体験、ダンス体験など、お客さん参加型のコンサート。司会者の役割は大きそうですね。

小林:どんなお客さんが来てくれるのか、当日になってみないとわからないですよね。すごく元気な子もいれば、ちょっと萎縮しちゃう子もいるかもしれない。その子たちがどの辺りに座っているかも、その時になってみないとわからない。あまり作り込み、準備しすぎると、かえってうまくいかないことが多いので、客席の反応を見ながら、結果的にみんなが楽しい気持ちになれるように進行したいです。

ダンスで出演する「コンドルズ」ですが、実は小林さんは、コンドルズの創設時からのメンバーでもあるんですよね。

小林:普段は僕も学ランを着てみんなと踊ったり、コントでツッコミを入れたりしています。今回僕は司会だけれど、気心知れた仲間たちとのステージなので、遠慮もいらないし、やりやすいですね。

小林顕作さん
指揮の大野和士さんとは初共演とのことですね。

小林:はい。大野さんにもいっぱいお話をしていただきたいと思っています。「あの、僕が司会なんですけど……」ってツッコミを入れたくなるくらいに、お話ししていただけたらいいな。ご縁を嬉しく思っています。

最後に、司会者としてどんなコンサートにしたいですか?

小林:都響さんはいろいろなコンサートをなさっていますが、未だかつてないほど賑やかなコンサートにしたいですね!
赤ちゃんを抱っこした人たち、オフロスキーが好きな人たちが、オーケストラって楽しいな、コンサートにもっと行ってみたいな、と思ってくれるようにしたい。
会場が大きい分、どれだけみんながリラックスできる「部屋感」を出せるか、ですね。畳が見えそうなくらいリラックスしてもらえたら、僕の勝ちですね(笑)。そんな中でオーケストラを聴けたらきっと楽しいし、音楽体験が変わると思います。みなさんと会場でお会いできるのを、楽しみにしています!

(おわり)

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